今宵はフレンチで乾杯〜
オジャマしたのは「祇園 呂色(ろいろ)」
オープン1年で「ミシュラン京都・大阪」1ツ星を獲得した、知る人ぞ知るフレンチ割烹店。
兵庫・芦屋からここ京都・祇園にステージを移し腕をふるうシェフのお料理と、シニアソムリエによるワインペアリングを楽しむことができます。
最寄駅は、祇園四条駅もしくは阪急河原町駅
通りに面したビルの5F。
エレベーターを登ったエントランスには看板が掲げられず、まさに隠れ家。
店内はカウンター全10席(現在は8席に縮小中)
「呂色」=「黒漆の濡れたような深く美しい黒色」の通り、ズドーンと抜ける呂色のカウンターが潔く。
中央には季節折々の花が飾られ、シックな中に華やかさもあるオトナな空間造りです。
こちら、完全予約制、ディナーはコース20,000円のみ(税込)
オススメの通り、ワインペアリング(5,000円、8,000円)とともにいただきます。
ひとりずつに供されるメニュー、ランダムに配される言葉たちに一瞬、「?」。
お料理ひと皿ごとに対するタイトルが記されているというわけ。
「これ何やろ?こんなんかな?」…、あれこれイメージを膨らませる楽しさ、何が出てくるか分からないドキドキワクワクを終始感じられるの。
席に着いた瞬間から、ディナーショーがスタートするのだ!遊びゴコロ満載!こんなん、大好き♡
まずはシャンパーニュで乾杯
スターターにはもちろん、どんなお料理にも馴染む泡。
【温石】
ハマグリのお出汁で炊いた京都・与謝野米のヨモギとフキノトウのリゾット
美しい緑に、貝の風味がするという星型のエディブルフラワー<ボリジ>を添えて。
ほろ苦にハマグリの旨味が広がる。ほんの2〜3口、一気に春がやって来た。
「これから続くお酒から胃を守るために温かいご飯ものを」という繊細な心遣いも五臓六腑に染み渡る^^
ペアリング2杯目は、やや甘口の白ワイン
【昇華】
フォアグラとトリュフのスープ
まずは上澄みを、そして、底からすくいあげトリュフとともに。
香り高く、濃厚。個性派のふたつ、甘めのワインが口中で<昇華>する。
わざと引きちぎられたギザギザの器もおもしろくって。
すごくシンプルでいて個性的なひと皿。
【大地と海】
卵とキャビア
スプーンにこんもりと盛られるキャビアをまずはそのままで。
通常よりも塩分をぐっと抑えた上品でマイルドな味わい。
そして、卵殻の器に閉じ込められた菜の花と卵黄のソースとともに。
京丹後「竹野酒造」の日本酒とキャビアの組み合わせの妙もたのしい。
パリッとモチッとライ麦入りの自家製パン×エシレバターと合わせても。
【芽吹】
言葉からイメージした通り!
芽吹きを連想させる、春野菜をふんだんに使ったひと品
レンコンチップの器、底に忍ぶ人参ピュレとともに、ザクザク割ってミックスさせていただきます。
10種類ほどの野菜たち、無水調理で食材本来の風味や甘みが際立つ。
合わせるのはここ最近注目されている、オレンジワイン
単体で飲むより、お料理と合わせるとその風味が引き立ち、お料理もグンと味わいを増すの。これぞ、マリアージュ。
続いて、白ワイン
お料理はもちろん、お酒もそれぞれに説明くださって、とっても興味深い。
【威勢】
「伊勢海老」で「威勢」!(笑)お茶目なタイトル付にキュンです♡
伊勢海老のヴァプール
海老超しっとりプリップリッッ!甘っっ!は、もちろん、
カリフラワーピュレの甘み、ミントやエストラゴンなどのハーブ、カラマンシービネガーの酸味との取り合わせが素晴らし過ぎる。
【余韻】
伊勢海老ロワイヤル
先のひと皿がサーブされすぐさまもう一品、
海老の頭でとったお出汁のスープもいただく、「余韻」とな。
ただただ、濃厚。芳醇。に尽きる。
【清々】
スダチのグラニテでお口直し。
口中から頭の先まで一気に清々しくリフレッシュされる。
次のお料理に合わせ、赤ワイン
【生命】
やはり、肉だ。
但馬牛の赤身にこだわられているお肉、日によって部位は異なり、この日はランプ
炭火でじっくりと焼かれ外こんがり中ミディアムレアの美しいビジュアル。
牛骨でとったスープのソースと、側面は木の芽でほんのりお化粧して。
4〜5cmはあろうかという厚切りながら、ナイフがスッと入るやわらかで繊細な肉質。
噛むほどに旨味風味がジュワジュワ溢れ出す。
添えられる大粒ニンニクのコンフィをギュッと潰してお肉と合わせると、味わいに奥行きが増す。
しいたけと見紛うそれは、大黒本しめじ。なんせ、ご立派!!
「香り松茸、味しめじ」とは言うけれど、このしめじは味も香りも、食感も、最強。
【結び】
中華そば
ナイフやフォークから一転、お箸でいただくシメ
デュラムセモリナ粉を使用した麺を、京都亀岡の七谷鴨を丸ごと使ったコンソメスープと九条ネギでシンプルに。
スルスルッと喉越し良い麺に旨味たっぷり。はじめて食べてもどこか懐かしさも感じられ。
先までのドキドキソワソワを、このスープがスッと平常心に戻してくれるような感覚(笑)
ラストのお酒は、干しぶどうのワイン
甘くてスイーツ感覚で、ごくごくいってしまう。
【共鳴】
さがほのか苺とフロマージュ・ブラン
スプーンひとつで、双方を交互に行き交い口に運ばせるという、ちょっぴりやんちゃな食べ方でOK。
スイーツもフルーツもそれほど…の私も、気付いたらお皿がキレイになっていた。
【金塊】
自家製のフィナンシェ(プレーン&柚子)
「焼き立てでーす」、そのサクサクしっと〜り感に驚き!
これまで食べたことのないフィナンシェ!めちゃめちゃめちゃめちゃ…おいしい!感動。
ラストのお茶は、コーヒーや紅茶といった選択肢なし、ハーブティ一択。
スペアミントやアップルミント、パインミント、レモンバームなどのこだわりのハーブをたっぷり使用、わずかのお砂糖を入れることで、ハーブの尖った感じがまるでなく、とってもまろやかな味わい。
フィナンシェ然り、こんなおいしいハーブティ、はじめて。
最初に供されたメニュー、最後にはその謎が解明されるという、最後の最後まで抜かりなしのエンタメ性に思わず拍手。
心の底から、「ごちそうさまでした、ありがとうございました」。
ストーリー性ある五感を刺激するお料理とワインペアリングの素晴らしさ、おいしさはもちろん、終始「楽しい」を感じられる。
そして、ここを訪れたお客さんへのおもてなしの気持ち、空間などトータルで心地良く過ごしてもらいたいという気持ちが感じられる『和もてなし』を堪能。
「ああ、来て良かった。」のひと言。いやほんと、数日間、幸せに包まれました^^
もちろん訪問のハードルは低くない。
でも、わざわざ訪れる価値がある。
ここで過ごす時間に価値がある。
食やお酒や幸せに対する思い…、いろんな角度から刺激されちゃいました。
★「祇園 呂色」HP
京都市東山区花見小路四条西入ル北側266 井澤ビル 5F
075-541-5510
ランチ/12:00〜15:00、ディナー/18:00〜又は19:00〜 水休み(不定休もあり)
祇園 呂色 (フレンチ / 祇園四条駅、京都河原町駅、三条京阪駅)
夜総合点★★★★☆ 4.8
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